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子どもの口呼吸は歯並びに影響する?顎の発育・舌の位置との関係

「いつも口がポカンと開いている」
「寝ているときに口で呼吸している」
「最近、歯並びがガタガタしてきた」
「子どもの顎が小さい気がする」

このようなことが気になっていませんか?

子どもの口呼吸は、単なる「癖」と思われることがあります。
しかし、口呼吸が続いている背景には、鼻炎などによる鼻づまりや、舌・唇などお口周りの機能が関係している場合があります。
また、成長期における呼吸の仕方や舌の位置、お口周りの筋肉の働きなどと、顎の発育や歯並びとの関連も指摘されています。

だからこそ大切なのは、「口を閉じなさい」と注意するだけではなく、なぜ口呼吸になっているのかを確認すること。

今回は、子どもの口呼吸と歯並び、顎の発育、舌の位置との関係について解説します。

1.子どもの口呼吸はなぜ起こる?

本来、安静時には鼻で呼吸することが基本です。
鼻には、吸い込んだ空気を加湿・加温し、異物を取り除くフィルターのような役割があります。
ところが、何らかの理由によって鼻から呼吸しにくくなると、口呼吸になることがあります。

子どもの口呼吸では、例えば、

・鼻炎やアレルギーによる鼻づまり
・扁桃やアデノイドなど気道に関係する問題
・舌の位置や動かし方
・唇などお口周りの筋肉の機能
・習慣

など、さまざまな要因を考える必要があります。

「口を閉じなさい」だけでは解決しないことも

子どもがいつも口を開けていると、「ちゃんと口を閉じなさい」と言いたくなるかもしれません。
しかし、鼻が詰まっていて鼻呼吸が難しいのであれば、本人の意識だけで改善することは困難です。

そのため、まずは、「なぜ口で呼吸しているのか?」を確認することが大切です。

鼻づまりやいびきなどが続いている場合には、必要に応じて耳鼻咽喉科など医科との連携も検討します。

2.口呼吸・舌の位置と顎の発育

子どもの歯並びを考えるとき、歯だけでなく「舌」にも注目します。
舌は食べたり、飲み込んだり、話したりするときだけ働いているわけではありません。
何もしていないときにも、舌には適切な位置があります。

舌は普段どこにある?

一般的に安静時には、舌が上顎側に位置し、唇は軽く閉じ、上下の歯は接触し続けていない状態が望ましいとされています。
ところが口呼吸が習慣化している場合、呼吸のために口が開き、舌が低い位置になっていることがあります。
舌や唇、頬などお口周囲の筋肉は、成長期の歯列や顎顔面の発育と関連する要素の一つです。

そのため、歯並びを見るときには、「歯がどこに生えているか」だけではなく、「舌や唇が普段どのように働いているか」も確認する必要があります。

顎の大きさは一つの原因だけで決まらない

「最近は顎の小さい子どもが増えた」と耳にすることがあります。

ただし、顎の成長や大きさは、

・遺伝的要因
・成長発育
・呼吸
・舌や口唇などの機能
・食生活

など、複数の要因が関係します。

そのため、「口呼吸だから顎が小さくなった」と一つの原因だけで判断することはできません。
大切なのは、現在のお口や顎の状態を総合的に確認することです。

3.口呼吸と歯並びにはどんな関係がある?

口呼吸がみられる子どもでは、舌の位置や唇の閉じ方などにも特徴がみられる場合があります。
そして、こうした口腔周囲の機能と歯並び・噛み合わせとの関連が指摘されています。

例えば、

・歯がガタガタに並ぶ「叢生」
・上の前歯が前方へ出ている状態
・前歯が噛み合わない「開咬」
・上顎の歯列が狭い状態

などがみられることがあります。

ただし、これらの歯並びがすべて口呼吸によって起こるわけではありません。
遺伝や顎の成長、歯の大きさ、癖など、さまざまな要因が関係しています。

歯並びだけを動かせばいい?

歯並びが悪くなったとき、「歯をきれいに並べればいい」と考えるかもしれません。
もちろん、必要に応じて矯正治療を検討することがあります。

しかし、口呼吸や舌の位置、口唇の機能などが気になる場合には、そうした背景についても確認することが重要です。
「どのように歯を並べるか」と同時に、「なぜ現在の歯並びになっているのか」を考える。
これは成長期のお口を診るうえで大切な視点です。

4.見逃したくない子どもの口呼吸のサイン

子ども自身が、「自分は口呼吸をしている」と気づくことはあまりありません。
そこで、ご家族が日常生活の中で気づけるサインがあります。

例えば、

・テレビを見ているときに口が開いている
・勉強中に口がポカンと開いている
・寝ているときに口が開いている
・いびきをかく
・朝起きると口が乾いている
・唇を閉じにくそうにしている
・食べるときに口が開きやすい
・歯並びがガタガタしてきた

などです。

一つ当てはまるからといって、必ず問題があるというわけではありません。
ただし、複数のサインが続いている場合には、一度確認してみてもよいでしょう。

「いびき」は特に注意して観察を

子どものいびきが頻繁に続く場合や、

・寝ているときに呼吸が止まっているように見える
・苦しそうに呼吸している
・睡眠が浅そう
・日中の強い眠気などが気になる

といった場合には、歯並びだけの問題として考えず、医療機関へ相談することが重要です。
必要に応じて小児科や耳鼻咽喉科などで、鼻や気道の状態を確認することがあります。

5.歯並びだけでなく「なぜ?」を見ることが大切

子どもの歯並びは、成長とともに変化します。
だからこそ、「歯が曲がって生えてきたから矯正する」だけではなく、「なぜ、この歯並びになっているのだろう?」という視点を持つことが大切です。

足立優歯科では、子どもの歯並びについて相談を受けた際には、必要に応じて、

・現在の歯並び
・噛み合わせ
・顎の成長
・舌の位置や動き
・口唇などお口周りの機能
・口呼吸の有無

などを確認します。

成長期だからこそ確認できること

子どもの顎や顔は成長の途中にあります。
そのため、成長段階を確認しながら、現在どのような問題があり、今後どのような変化が考えられるのかを評価することが重要です。
状態によっては経過観察を行うこともあれば、矯正治療などを検討する場合もあります。
また、鼻づまりなど歯科以外の問題が疑われる場合には、必要に応じて医科への相談が必要になることもあります。
すべての子どもに同じ治療が必要なわけではありません。

まず現在の状態を確認し、その子にとって何が必要なのかを考えることが大切です。

まとめ|「口がポカン」は原因を確認することから

子どもの口呼吸は、単なる癖だけで起こるとは限りません。
鼻づまりなどの呼吸の問題や、舌・唇などお口周りの機能が関係している場合があります。
また、成長期の呼吸や舌の位置などと、顎の発育や歯並びとの関連も指摘されています。

もし、「いつも口がポカンと開いている」「寝ているときに口呼吸をしている」「いびきをかいている」「歯並びがガタガタしてきた」「子どもの顎の成長が気になる」と感じたら、歯並びだけではなく、その背景にある原因についても確認することが大切です。

足立優歯科では、歯並びだけを見るのではなく、噛み合わせや顎の成長、舌やお口周りの機能なども含め、お子さまのお口の状態を総合的に確認しています。

将来のお口の健康を考えるためにも、気になるサインがあれば早めに状態を確認しておきましょう。

口呼吸を治そう ~顎の育成と呼吸~

正しい呼吸と健康

人間が健康に生活するためには、

①正しく栄養を摂取する
②酸素を取り込む
③感染を防ぐ

という3つの要素が重要です。

そこで今回は酸素を身体に取り込むための呼吸についてお話ししましょう。

酸素を取り込むための呼吸では肺に空気を吸い込んで行います。
この空気は鼻から取り込まれ喉(咽頭)から気管を通って肺にたどり着きます。
この咽頭部が塞がると必要な空気が肺へと運ばれず睡眠時無呼吸症という病気を発症してしまいます。
睡眠時無呼吸症では、心筋梗塞や脳卒中といった病気の発症率が健常者の2~5倍になるとも言われており、無呼吸症を引き起こさないことが健康であるために必要な要件となります。

睡眠時無呼吸症は咽頭部が塞がれることにより発症しますが、これには肥満あるいは小さな顎という2つの問題が関係しています。

このうち小さな顎になることは口の成長と密接に関係しており、その口の成長を妨げるのが口呼吸なのです。

歯並びと呼吸の関係

人は鼻だけではなく口からも空気を取り込むことができます。
日常の生活では鼻を使って生活し、運動時など多量の酸素を必要とするときのみ口を使うのが正しい使い方です。

鼻で呼吸をする場合、閉じられた口の中では舌が上顎(口蓋)に密着しています。
このことが上顎の左右及び前方向への成長を促します。
さらに上顎がしっかりと成長すると口蓋は下方に下がり、このことにより口蓋の上にある鼻腔は大きくなり、鼻呼吸がしやすくなります。

しかしながら日常の呼吸も口で行うようになると口の中に常時空気の通り道を確保しなくてはならず、舌が上顎に接触しません。
このため顎は小さくなってしまい鼻呼吸もしにくくなってしまいます。

適正な大きさに成長できなかった顎では歯並びが悪くなり、舌が鎮座する口自体の容積も小さくなります。
舌は筋肉の塊で、外から見えている部分だけでなく後方にも一定の大きさがあるため、前方部分の口の中の容積が小さくなると居場所がなくなり、舌全体が後方に押しやられてしまいます。
このことにより咽頭部が狭くなり、無呼吸症を発生させてしまうのです。

歯を抜かない矯正と顎を育てる支援

歯並びが悪い方は基本的に顎の大きさが小さく、この小さな顎の中に歯を並べるために歯を抜いて歯並びを整えるという矯正方法が主流でした。

しかしながら顎を小さくまとめてしまうと無呼吸症のリスクが高まってしまうため、歯を抜かない矯正治療を選択しなければなりません。
このために最も良い方法は、成長期に適正な顎の大きさになるよう支援をすることです。
成長期にあごが小さくなる傾向の子どもはおおむね口呼吸です。
また舌や口の周りの筋肉の使い方を間違って学習している場合もあります。

これらを改善し正しい成長の過程を支援することで、歯並びが良くなるとともに、健康に生活できる呼吸器官の機能を手に入れることができるのです。