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「いびきがうるさいと言われる」
「朝起きても疲れが取れない」
「日中に強い眠気がある」
「寝ている間に呼吸が止まっていると言われた」
このような症状はありませんか?
いびきは単なる癖や体質と思われがちですが、その背景に睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)が隠れていることがあります。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする状態を繰り返す病気です。
睡眠の質を低下させるだけでなく、高血圧や心血管疾患など、全身の健康との関連も知られています。
また、睡眠時無呼吸症候群には肥満だけでなく、顎や気道など身体的な特徴が関係している場合があります。
そのため、医科での診断・治療を基本としながら、状態によっては歯科が治療に関わることもあります。
今回は、いびきと睡眠時無呼吸症候群の関係、見逃したくない症状、そして歯科がどのように関わるのかを解説します。
1.いびきはなぜ起こる?睡眠時無呼吸症候群との違い
私たちは眠っている間も呼吸を続けています。
睡眠中には舌や喉の周囲の筋肉が緩み、空気の通り道である上気道が狭くなることがあります。
狭くなった気道を空気が通過すると、周囲の組織が振動して「いびき」が生じます。
いびきがあるからといって、すべての方が睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。
しかし、
・大きないびきを繰り返す
・睡眠中に呼吸が止まる
・呼吸が再開すると大きないびきをかく
などがみられる場合には、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に無呼吸や低呼吸を繰り返す病気です。
呼吸が止まったり浅くなったりすると、血液中の酸素濃度が低下することがあります。
また、身体が呼吸を再開させるために覚醒反応を繰り返すことで、本人には「起きた」という自覚がなくても、睡眠が分断されることがあります。
そのため、「しっかり寝ているはずなのに疲れが取れない」という状態につながることがあります。
2.見逃したくない睡眠時無呼吸症候群のサイン
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に症状が起こるため、ご本人が気づいていないこともあります。
むしろ、ご家族から、「いびきがすごいよ」「寝ているときに呼吸が止まっているよ」と言われて初めて気づくケースもあります。
睡眠中にみられるサイン
・大きないびき
・いびきが途中で止まる
・睡眠中に呼吸が止まっている
・何度も目が覚める
・息苦しそうに眠っている
などがみられる場合があります。
起床時・日中にみられるサイン
・朝起きたときに口が乾いている
・起床時に頭痛がある
・十分寝たのに疲れが残っている
・日中に強い眠気がある
・集中しにくい
・慢性的な疲労感がある
なども、睡眠時無呼吸症候群でみられることがあります。
特に日中の強い眠気は、仕事や自動車の運転などにも影響する可能性があります。
このような症状が続く場合には、「いびきだから」と放置せず、専門の医療機関へ相談することが大切です。
3.睡眠時無呼吸症候群と全身の健康
睡眠時無呼吸症候群が問題になる理由は、睡眠の質だけではありません。
無呼吸や低呼吸を繰り返すことで、低酸素状態や交感神経の活性化などが生じ、身体へ負担がかかると考えられています。
睡眠時無呼吸症候群では、
・高血圧
・不整脈などの心血管疾患
・脳血管疾患
・糖代謝異常
など、さまざまな疾患との関連が報告されています。
ただし、「睡眠時無呼吸症候群があれば必ず心筋梗塞や脳卒中になる」という意味ではありません。
年齢や肥満、生活習慣、基礎疾患など、さまざまな要因が関係します。
重要なのは、睡眠時無呼吸症候群が疑われる症状がある場合に、適切な検査を受けて状態を把握することです。
4.顎・舌・口呼吸と睡眠時無呼吸の関係
睡眠時無呼吸症候群というと、「太っている人がなる病気」というイメージを持たれることがあります。
肥満は閉塞性睡眠時無呼吸症候群の重要なリスク因子の一つですが、肥満のない方でも発症することがあります。
そこで関係することがあるのが、顎や上気道の形態などの身体的な特徴です。
顎の形態と気道
顎の大きさや位置などによっては、舌や気道周辺のスペースが狭くなる場合があります。
睡眠中には筋肉が緩むため、舌などの軟組織が後方へ移動し、気道が狭くなりやすい方もいます。
ただし、「顎が小さい=睡眠時無呼吸症候群になる」という単純な関係ではありません。
睡眠時無呼吸症候群には、
・肥満
・年齢
・性別
・顎や顔面の形態
・鼻や咽頭など気道の状態
・生活習慣
など、複数の要因が関係します。
口呼吸との関係は?
口呼吸がみられる方では、鼻づまりや舌の位置など、呼吸に関係する問題が隠れている場合があります。
特に子どもでは、
・いつも口が開いている
・いびきをかく
・寝ているときに苦しそうに呼吸している
・鼻づまりが続いている
などがみられる場合には注意が必要です。
ただし、「口呼吸→顎の発育不足→睡眠時無呼吸症候群」と一直線に原因を決めることはできません。
子どものいびきや睡眠中の呼吸異常には、扁桃・アデノイド、鼻炎などが関係している場合もあります。
気になる症状がある場合には、小児科や耳鼻咽喉科などでの評価も重要です。
5.睡眠時無呼吸症候群に歯科ができること
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、まず重要なのは医科で適切な検査と診断を受けることです。
睡眠時無呼吸症候群の治療には、状態に応じて、
・生活習慣の改善
・CPAP療法
・口腔内装置
・その他の治療
などが検討されます。
歯科で作製する口腔内装置
閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、医師の診断に基づき、歯科で口腔内装置を作製する場合があります。
一般的には、睡眠時に下顎を前方へ保持することで、上気道が狭くなるのを抑えることを目的とした装置です。
適応できるかどうかは、睡眠時無呼吸症候群の状態だけでなく、
・残っている歯
・歯周病の状態
・顎関節
・噛み合わせ
などによっても異なります。
そのため、すべての患者さまに使用できるわけではありません。
医科と歯科の連携が大切
睡眠時無呼吸症候群は、歯科だけで診断・治療を完結させる病気ではありません。
医科で睡眠や呼吸の状態を評価し、必要に応じて歯科が口腔内装置などの面から治療に関わるという医科歯科連携が重要です。
足立優歯科では、お口の状態を診査する中で、
・顎の位置や形態
・噛み合わせ
・顎関節
・舌や口腔周囲の状態
なども確認しています。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、必要に応じて医科での検査・診断をご案内し、その結果を踏まえて歯科として対応できることを検討します。
まとめ|「たかが、いびき」と思わずに
いびきは珍しい症状ではありません。
そして、いびきをかくすべての方が睡眠時無呼吸症候群というわけでもありません。
しかし、
「大きないびきを繰り返す」
「寝ているときに呼吸が止まっている」
「朝起きても疲れが取れない」
「日中の眠気が強い」
といった症状がある場合には、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。
大切なのは、自己判断せず、必要な検査を受けることです。
また、睡眠時無呼吸症候群には肥満だけでなく、顎や気道などの身体的特徴が関係する場合があり、状態によっては歯科で作製する口腔内装置が治療の選択肢となることもあります。
足立優歯科では、歯だけを見るのではなく、噛み合わせや顎関節など、お口全体を診査することを大切にしています。
いびきや睡眠中の呼吸について気になることがある場合には、まず適切な医療機関で睡眠時無呼吸症候群の有無を確認し、必要に応じて医科と歯科が連携して対応することが重要です。



