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噛む力から歯を守る|歯が欠ける・割れる原因と歯ぎしり・食いしばりの関係

「虫歯ではないのに歯が欠けた」
「治療した歯が割れてしまった」
「被せ物や詰め物が何度も壊れる」

このような経験はありませんか?

歯が悪くなる原因というと、多くの方は虫歯や歯周病を思い浮かべると思います。
もちろん、虫歯や歯周病は歯を失う代表的な原因です。
しかし、歯が欠ける、割れる、すり減るといったトラブルでは、虫歯や歯周病だけでなく、歯に加わる「力」についても考える必要があります。
食事のときに加わる力だけでなく、歯ぎしりや食いしばりなどによって、知らないうちに歯へ負担がかかっている場合もあります。

今回は、噛む力によって歯にどのような変化が起こる可能性があるのか、そして歯を長く守るために大切な「力の管理」について解説します。

1.歯には毎日「噛む力」が加わっている

歯は非常に硬い組織ですが、決して壊れないわけではありません。
私たちは毎日の食事で何度も歯を使っています。

さらに、

・睡眠中の歯ぎしり
・日中の食いしばり
・上下の歯を接触させる癖

などによって、食事以外の時間にも歯へ力が加わることがあります。
通常は、歯や歯周組織、顎関節、筋肉などが関わりながら噛むという動作を行っています。
しかし、一部の歯に負担が集中したり、強い力が繰り返し加わったりすると、歯や修復物などにさまざまな変化が現れることがあります。

「自覚がない」ことも珍しくありません

特に注意したいのが、睡眠中の歯ぎしりです。
眠っている間のことなので、ご本人には自覚がない場合があります。
家族から、「寝ているときに歯ぎしりをしている」と指摘されて、初めて気づく方もいらっしゃいます。

また、日中でも仕事や家事などに集中しているときに、無意識に上下の歯を接触させたり、食いしばったりしている場合があります。

2.歯がすり減る・欠ける・割れるのはなぜ?

歯に繰り返し力が加わると、さまざまな変化が現れることがあります。

歯のすり減り

鏡で歯を見たとき、

・奥歯の噛む面が平らになっている
・前歯の先端がすり減っている
・左右で歯の形が違う
・歯の先端が小さく欠けている

といった変化はありませんか?

歯のすり減りには複数の原因がありますが、歯ぎしりや食いしばりなどが関係している場合もあります。

歯にヒビが入る

歯には目で確認しにくい小さなヒビが生じることがあります。

ヒビの状態や深さによっては、

・冷たいものがしみる
・噛んだときに違和感がある
・特定の場所で噛むと痛い

などの症状が現れることがあります。

ただし、こうした症状には虫歯や知覚過敏など、ほかの原因も考えられます。
症状だけから「噛む力が原因」と判断することはできません。

歯が欠ける・割れる

歯の状態によっては、強い力が加わったときに歯の一部が欠けたり、割れたりすることがあります。
特に大きな虫歯の治療を受けた歯や、根管治療によって歯質が多く失われている歯などでは、残っている歯の量や修復方法などによって破折のリスクが高くなる場合があります。
歯のヒビが深く歯根にまで及んでいる場合には、状態によって歯を残すことが難しくなることもあります。

だからこそ、「割れた歯をどう治すか」だけでなく、「なぜその歯が割れたのか」を考えることが大切です。

3.歯ぎしり・食いしばりで見られるサイン

歯ぎしりや食いしばりは、ご自身では気づきにくいことがあります。
そこで、お口の中に現れるサインも確認します。

例えば、

・歯が大きくすり減っている
・歯の先端が欠けている
・歯や修復物にヒビがある
・詰め物や被せ物が繰り返し壊れる
・朝起きると顎が疲れている
・頬やこめかみ周辺の筋肉が張っている

などです。

歯の根元が欠けている場合

歯と歯ぐきの境目付近が、くさび状に欠けていることがあります。
これを「歯頸部非う蝕性歯質欠損」などと呼びます。

以前は歯ブラシの当て方などが主な原因として説明されることもありましたが、現在では、

・ブラッシング
・酸による影響
・歯に加わる力

など、複数の要因が関係すると考えられています。

そのため、「歯ぎしりだけが原因」「歯磨きだけが原因」と一つに決めつけることはできません。
歯の根元が欠けると知覚過敏などの症状が出ることもあるため、状態を確認することが大切です。

4.歯周組織や顎関節と「力」の関係

噛む力について考えるときには、歯そのものだけでなく、歯を支える組織や顎関節なども確認します。

歯周病がある場合

歯周病は、歯周病原細菌による感染と、それに対する身体の炎症反応などによって歯を支える組織が失われていく病気です。
歯周病によって支持組織が弱くなっている歯に過度な力が加わっている場合には、歯の揺れや噛んだときの違和感などについても確認する必要があります。
歯周病治療では、まず炎症をコントロールすることが基本です。そのうえで必要に応じて、歯の揺れや噛み合わせなども確認します。

顎関節や筋肉

・顎がカクカク鳴る
・口を開けにくい
・顎が痛い
・朝起きると顎が疲れている

といった症状は、顎関節症でみられることがあります。
顎関節症には、顎関節や咀嚼筋、歯ぎしり・食いしばり、生活習慣、心理社会的要因など複数の要素が関係すると考えられています。

そのため、「顎関節症=噛み合わせが原因」と単純に判断することはできません。

また、頭痛や肩こりにもさまざまな原因があります。
顎や筋肉の症状を伴う場合には歯科的な評価が参考になることがありますが、症状によっては医科での診察が必要です。

5.歯を長く守るための「力の管理」とは

虫歯や歯周病を予防するためには、毎日の歯磨きや歯科医院でのメンテナンスなどによる「細菌の管理」が重要です。
しかし、歯が欠ける、割れる、すり減るといった問題を繰り返している場合には、歯に加わる「力」についても確認する必要があります。

足立優歯科では、

・歯の状態
・歯周組織
・詰め物や被せ物
・歯のすり減り
・噛み合わせ
・歯ぎしりや食いしばりのサイン
・顎関節

など、お口全体を総合的に確認することを大切にしています。

「壊れた結果」だけを見ない

歯が欠けた。
歯が割れた。
被せ物が外れた。

その場合、まず必要な処置を行うことはもちろん大切です。
しかし、同じようなトラブルを繰り返している場合には、「なぜ、この歯に問題が起きたのか」を考える必要があります。

虫歯なのか。歯周病なのか。過去の治療や修復物の状態なのか。歯ぎしりや食いしばりなどの力が関係しているのか。あるいは、複数の問題が重なっているのか。

原因や背景をできるだけ把握することが、長期的に歯を守るためには重要です。

デンタルドックでお口全体を確認する

足立優歯科では、必要に応じてデンタルドック(精密検査)を行っています。
口腔内写真やレントゲン、CT、唾液検査、口腔内スキャンなどに加えて、噛み合わせや顎関節なども確認します。

一つの症状だけで判断するのではなく、複数の検査結果からお口全体の状態を把握し、患者さまにご説明したうえで、必要な治療や予防について一緒に考えていきます。

まとめ|歯を守るためには「細菌」と「力」の両方を見る

歯が欠ける。
歯が割れる。
歯がすり減る。
詰め物や被せ物が繰り返し壊れる。

こうした問題では、虫歯や歯周病だけでなく、歯ぎしり・食いしばりなどによって歯に加わる力が関係している場合があります。
だからこそ、歯を長く守るためには、虫歯や歯周病に対する「細菌の管理」と、歯ぎしり・食いしばりや噛み合わせなど「力の管理」という二つの視点が大切です。

「虫歯ではないのに歯が欠けた」
「治療した歯が何度も壊れる」
「歯ぎしりや食いしばりが気になる」

という方は、問題が起きている歯だけでなく、一度お口全体の状態を確認してみてはいかがでしょうか。

足立優歯科では、デンタルドックを通じて現在のお口の状態を総合的に確認し、その方に必要な治療や予防についてご提案しています。